普段、視点や環境を変えなければまったく気づかないこともあります。
しかも、その日常に慣れきっていればいるほど、そこに驚きがあるなどとは誰も予想もしていません。
もう何百回も繰り返している、そんな日常の作業の中で、予想もしない感動に出会う。
今日、Facebookを使って日々の業務をこなそうとしていたところ、そんな出来事に遭遇しましたので、皆様と共有させていただきたいと思います。
大げさですみません、しかし、個人的には少し感動しすぎてしまったものですから。。。
事の発端は、こんな事から始まりました。
実は、出張先の韓国のソウルよりSeesmic Desktop Proというアプリケーションで、Facebookアカウントの認証を行おうとしたら、こんなエラーメッセージが表示されたのです。
ここまでは、セキュリティ対策としてはよくあるパターンですので特に何とも思いません。
普段アクセスしているIPアドレスのログをとっておいて、それが属する国以外からアクセスしようとしたら、不正アクセスの警告を出す。そんなことは誰でも思いつきますし、もう10年以上も前からある手法です。
「ああ、よくあるやつね。」
では、「続行」をクリックしてみましょう。
「ああ、画像認証ね。」
これに関しましても、ロボットによる自動的な不正ログインを防ぐ方法で、もう何年の間も不正ユーザー達といたちごっこを続けている「Captcha」といわれる古典的な防衛手段ですね。
「Facebookも面倒くさいなぁ。」
とパチパチッと認証文字をタイプして「送信」しました。すると。。。
「あれ?なんだこれ?」
「秘密質問の答え」は大げさでもなく、もう今までに何千回と遭遇してきた本人確認手法の王道です。しかし、その下に「友達の写真を特定」という奇妙なものがあります。
当然のことながら、自分は好奇心で後者をクリックしました。すると。。。
「身元?写真のタグ?」
これだけでは全く意味がわかりません。しかし試してみなければ何ともいえませんので、とにかく「スタート」をクリックしました。すると、
なんと!自分の友達の写真ストリームの中から、顔に名前がひもづけられて公開されている写真が表示され、その左に見覚えのある友達の名前がずらりと表示されたのです。
これには本当にびっくりしました。
私は、この時点で何が起こっているかをやっと理解できました。
そうです。Facebookは、自分のソーシャルグラフの中から、友達の顔写真を見せて「名前当てクイズ」をさせようとしているのです。
この画面を見てわかることは、友達には失礼ですがその名前がわからなければ「2回スキップ可能」だということです。
当然のことながら正解を選択し「Submit」してみました。
そこで私を待ち受けていたのは・・・・。
なんと、5回もの名前当てクイズでした。言い換えれば、友達の名前当てクイズに5問も正解しなければならないということです。
これはかなり緊張ものです。自分が彼らを友達登録しているのですから、わからなければ自分が友人の名前を忘れていることは確実であり、それ以外の言い訳が一切できないからです。
この「名前当てクイズ」の発送は素晴らしいものではないでしょうか?これは、Facebookが世界一のSNSとして誇るべき機能の一つといえるでしょう。なぜなら、この名前当てクイズに答えさせることによって:
- ロボットによる不正アクセスであれば友達の顔を5人も当てることなどはとうていできない。よって本人確認の精度が高い。
- 普段交流のない友達のフォトストリームから、その友達のことを思いおこさせて、コミュニケーションをとってみようというモチベーションを上げる。
- こうやってソーシャルメディアやブログで話題になる。
という、セキュリティーの確保と、ユーザーのソーシャル・コミュニケーションの活性化という2つの事を同時に実現しているからです。
3つめの「ソーシャルメディアで話題になってBuzzが発生する」は、私が勝手に触発されて起こした行動としておきます(笑)
そして何よりも、私が感心するのは「ユーモアのセンスがある」ということです。
ばかばかしいかもしれませんが、この「ユーモアのセンス」は、コミュニケーションツールにおいて、とりわけSNSにおいては重要な要素ではないでしょうか?
このユーモアなサービス精神にあふれながらも、本来の目的を達成する、そのセンスが素晴らしくはありませんか?
普通の頭なら、「秘密の質問の答え」、それだけで十分じゃないでしょうか?
更に、このいわば無駄な「名前当てクイズ」を足すことによってどれだけの効果が得られることでしょうか。
このありふれたセキュリティー機能に、ユニークな手法をひとつ追加するだけで、彼らのビジョン実現にどれだけ貢献しているかは計り知れません。
言い換えれば、Facebookのチームは、そのビジョンからぶれて外れるどころか、その明確なビジョンに向かって、このような日常の作業にも大きな一ひねりを加えることができる人たちだということです。
個人的にはほかのサービスでこの手法を取り入れているものを知りませんが、もしこれがFacebookのオリジナルのアイデアならば私は彼らに大きな敬意を表します。
ここまで勝手に感動しておいて、もし、この手法がFacebook発のものでないならば誰かそのことを教えてください。オリジナルのアイデアを考えた方に敬意を表したいと思います。
さて、話を戻して次に進みましょう。
と、その前に、もし、友達の写真と名前が全く一致しない人は、罪悪感を感じながら「または別の認証方法を実行」を選択し、古典的な手法でログインを取り戻しましょう。
この名前当てクイズで、一応は一つの間違いもなく言い当てた私は、ついに次の画面に進むことができました。
はい、そうです。私がSeesmicの画面にFacebookのストリームを取り込もうとした本人です。ですので「問題ありません」をクリックしました。すると、
やっと、これにて無事にアカウントへのアクセスを奪還しました。Seesmic Desktopからも再び認証を行ってみると、何事もなかったかの様に認証が完了しました。
実際、この写真の友人には長い間連絡を取っていなかったので、ついついMessageを送信してしまいました。今回は、あえてFacebookに敬意を表しましてその罠にはまっておきました。
ここで皆様に注意点をお一つ。
本来、Facebookは「本名で登録」が原則です。しかも、面識のある方との友達登録がFacebookにおけるソーシャル・ネットワーク形成の前提です。
ですから、この先Facebookがはやることを見越して、ソーシャルマーケティングのために誰彼かまわずに友達登録をされている方へ一言。
誰彼かまわずのネットワークは友達機能ではなくFan Pagesを使って、友達は面識のある方だけにとどめておきませんか?
それがFacebookのポリシーですし、それに沿えば、彼らのビジョンに沿ったこんな素敵な体験が、この「名前当てクイズ」以外にも体験できるかもしれませんよ。
更に、今回はここでは紹介しませんが、Facebookにはむやみやたらに友達承認をしている人が陥るセキュリティの穴、というものも存在します。
それでも誰彼かまわず友達登録されている方は、躊躇なく「または別の認証方法を実行」をクリックしましょう!
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では、皆様、海外出張に出られてFacebookを使われる際は「名前当てクイズ」に備えて、今のうちにお友達の顔と名前を一致させておきましょう!
Isamu Hisanaga
10月 20, 2010「名前当てクイズ」に自信がないひとは、前もって「秘密の質問の答え」を設定しておく必要がありますね。こちらからどうぞ。 https://www.facebook.com/update_security_info.php設定は一度きり?と思われるのでご注意を。
イマイファクトリー
10月 21, 2010これはすごい。。
Masako Ikeda
10月 21, 2010Facebookがたくさんの個人情報を持っているからこそ実装できる機能ですね。怖い気もするけどおもしろいです。
Takao Asayama
10月 21, 2010いずれにせよパスワードが盗まれている前提で、公開されている情報が前提ですので、意見は分かれるでしょうがおもしろい機能には違いありませんね。
Morihiro Ogasahara
10月 21, 2010僕がインドに行った時は「名前当てクイズ」に自信がなかったので、
「秘密の質問の答え」で切り抜けましたですよ。
失礼しました > Facebookの友達
Takao Asayama
10月 21, 2010やはり躊躇しましたか・・・w
Sh Tk
10月 22, 2010これには感動!
會澤賢一
1月 29, 2011今回強化される旨の発表がありましたので、もしかして顔認証1本になるのではないかと思われます。
それともより強固なものになるのでしょうかねぇ。
Takao Asayama (朝山貴生)
1月 29, 2011これ一本になると、認証失敗者が続出するのではないかと・・・笑
篠田大地
1月 29, 2011確かに頭の良い方法ですね。
Takao Asayama (朝山貴生)
1月 29, 2011きわめて「ソーシャル」なやり方ですよね。これをかんがえた人は賢い。
Kazuhiro Anzawa
2月 4, 2011これが噂の友達当てなんですね。始めてみましたが、大変参考になりました(^^;
Takao Asayama (朝山貴生)
2月 4, 2011たまたまのチャンスにスクリーンショットをとっておいて良かったって感じです。
宮下 達也
2月 10, 2011いやはや、こうやって目の当たりにすると本当に凄いですよねコレ。
噂では聞いていたのですが・・・
Takao Asayama (朝山貴生)
2月 10, 2011出くわした当人も驚きましたので・・・。
Megumi Hirokata
9月 9, 2011Sounds interesting! So nice! やるな!フェースブック!