Blog
日本では使えないPaypalの隠れ機能紹介その1【バーチャルCAT端末】

日本では使えないPaypalの隠れ機能紹介その1【バーチャルCAT端末】

ウェブ・サービス

先日の記事「Paypalは実はまだ日本に『来ていない』 – その根拠と裏事情とは」でご紹介しましたとおり、日本でのPaypalの機能は大幅に制限されています。

個人向けのサービスでは「個人間送金」が2010年4月1日付けで提供終了されたのはもう皆さんもご存じのことでしょうが、ビジネス向けのサービスでも、日本のマーチャント向けには隠されているものがたくさんあります。

今日は、その米国マーチャント向けのサービスの一つ、「Virtual Terminal」をご紹介しましょう。

適当な日本語が見つからなかったため、あえてタイトルでは「バーチャルCAT端末」としました。

CAT端末と言えば、皆様もご存じの通り、店舗にて消費者が支払いをする際に、従業員がクレジットカードを差し込んだり、スワイプしたり、もしくはその番号をテンキーで入力したりすることによって、カード決済の承認をとる端末のことです。

一般的に日本では、

の用に、カードをスワイプする本体と、暗証番号を入力するテンキーが分離した有線型のCAT端末がポピュラーですね。

ちなみに、欧米ですと、いろいろ先に進んでおりまして、

のように、液晶モニターに電子ペンでサインする端末や、欧州の飲食店などでは特にそうなのですが、

のように、ワイヤレス端末で消費者に直接テンキーで暗証番号を入力させたりするものがかなり普及しています。この場合、店舗の従業員ではなく、消費者が自分でカードを挿入するセルフ型も普通に存在します。

それどころか、もう一歩進むと、twitterの創始者の一人が始めたこのサービス「Square」のように、

iPhoneのタッチスクリーンでサインさせればクレジットカードを決済できるものまで存在します。

このようなサービスは本当は新しいものでもなく、Paypalでも何年も前から提供しており、それが今回ご紹介する「Virtual Termnal」です。

通常、日本のPaypalアカウントで、「個人設定」の画面へ行くと、このようになっています。

ところが、弊社の米国本社のPaypalアカウントで日本語の「個人設定」に該当する「Profile」の画面へ行くと、このように表示されます。

この、追加されている項目の二つ目に「Virtual Terminal」があります。

これをクリックすると、Virtual Terminalの画面が現れます。

試しに、画面には日本語で商品名を入れ、円決済を進めてみています。このVirtual TerminalではUSドルはもちろんのこと、円やユーロなど多通貨での決済が可能です。弊社でも普通に日本の顧客向けに使っていますが、ちゃんと日本語でも通ります。

Transaction Typeでは、この場で決済をしてしまうのか、日本語で言うオーソリ、すなわち承認をとるだけなのかをも指定できます。後者を選択した場合、後日別画面で決済が可能です。

実際、Virtual Cat端末とは言いましたが、非常に簡素なもので、この画面に顧客のカード情報を入力するだけで、クレジットカード決済ができてしまうと言うことです。

実際に使用していますが、あっけないほど簡単に、あっという間にブラウザーからカード決済ができてしまいます。このVirtual Terminalは、通販を行う業者や移動しながら商売を行う方にとっては強力な武器となります。スマートフォンやPC一台で、どこでもクレジットカード決済が行えるからです。

ところで、通常、第三者のマーチャント・アカウントを使っての商品販売がVISAやMastercardのルールでは禁止されているのはもちろんのこと、何らかの形でPSP(Payment Service Provider)の認可を受けてそのことが特別に許可されていたとしても、マーチャントが消費者のクレジットカード番号を保有して、それを消費者に直接入力させることなしに、マーチャント側が入力することは御法度とされています。

このVirtual Terminalサービスは、PaypalのWebsite Payment PROサービスとして、自らがマーチャント・アカウントを保有せずにPaypal社のそれを間借りする形で決済を行いますが、それでもマーチャントに直接カード番号の入力を許すというパワフルなサービスになっています。

先述のSquare社もそうですが、これもPaypal社の持つ力がなせる技でしょう。

ちなみに、このVirtual Terminalサービスを使用するには、Paypal Proアカウントへ申し込んだ後に、追加でWebsite Payment PROサービスの審査を受け、それに通った後にさらに別途申し込む必要があります。

残念ながらWebsite Payment Proは、米国法人にのみ解放されており、それ以外の国では提供されていないようです。

実際の審査では、事務所所在地の確認やら、代表者の確認、業務内容の申請など、一定の物理的な審査も行われるため、このサービスを使うためだけに米国法人をペーパーカンパニーとして立ち上げただけでは審査を通すことができません。Website Payment ProやVirtual Terminalを使用するには、物理的に米国で営業している米国法人が必要です。

しかし、一旦取得すれば円決済も可能であり、日本で提供されている一般的なクレジットカード決済よりも安く決済ができてしまったりします。アカウント内部の為替における手数料等はまた別の話ですが。

もし、このVirtual Terminalをご希望の際は、その点にご注意を。

通常のPaypalサービスでは利用開始に審査が必要ありませんので、比較的はありますがこういった厳正な審査を行い、マーチャント不正のリスクを軽減することによって、銀行やカード会社の同意をとりつけた上でこの「一般的にはルール違反」なサービスを実現しているのでしょう。

しかし、近年ではスタートアップ時からそのような敷居を撤廃した「Square」の様なサービスも出てきており、欧米のクレジットカード決済はまだまだその利便性が向上しています。

日本でも、業界の話を聞ますと海外の円決済口座を使用して「勝手に」そのようなサービスを提供している業者もちらほらと存在します。その業務形態ですと、実際は「黙って」提供しているわけで、消費者トラブルでリスクフラグが立ち、そのことが顕在化した瞬間に口座が凍結され、マーチャントへの支払いも不能となってしまいます。実際に何社かはそれが問題でマーチャントとの間でトラブルを起こしているようです。

おそらく日本のマーチャントアカウントではまだこのバーチャルCAT端末の提供は提供が難しいでしょうが、もし、Paypalがこのようなサービスを米国以外でも真っ正面から提供し始めるときのことを考えると、それよりも先にどこか日本の業者が承認をとった上で同様のサービスを正式に提供してほしいとも思います。

それ以前に、審査なしに使えるPaypalと同等のサービスが必要ですが・・・。誰か是非そこから作ってください。

このエントリーをはてなブックマークに追加
タグ: , , , ,
Written by 朝山 貴生

1 Comment
  1. 実は現在、日本でも「Virtual Terminal(バーチャル端末)」が利用できるになっております。
    ガイドがありますが、詳細はそちらにご参考ください。
    https://cms.paypal.com/cms_content/JP/ja_JP/files/developer/PaymentsPlus.pdf

コメントを残す

Copyright © 2009 - 2014 Overtex Times by Takao Asayama - 朝山貴生ブログ
Top