4桁の暗証番号で使用を避けるべき組み合わせとは?
この21世紀になっても4桁の暗証番号(PIN)というのは様々な場所で使われています。
欧米などでよく見られるマンション玄関のドアロックから、世界共通の携帯番号のロック機能やATMでの現金引き出しなど、未だに4桁の数字が暗証番号として日常の生活で活躍しています。
たとえば、あなたがキャッシュカードを紛失し、悪意のある人間がそれを拾ったならばどうするでしょうか?
当然ながら、所有者の生年月日など個人的な数字の組み合わせを知っていればそれを真っ先に試すでしょうが、(最近では生年月日を暗証番号として登録させてもらえませんが。)知らない場合は確率の高い番号を予想して入力するしかありません。
では、そのような非常事態に、悪意のある人間が予想できてしまう暗証番号の組み合わせとは何でしょうか?
iPhoneアプリ「Big Brother Camera Security」のデベロッパーDaniel Amitayさんが、その疑問に答えてくれました。
Danielさんは、個人が特定できないようにした上で、自分のアプリ上で使用されている暗証番号を記録し、共通して使われている番号の組み合わせの上位を公開しました。その番号が下の一覧です。
この上位10通りの暗証番号だけで、使用されている暗証番号の実に15%を占めています。
3位の2580は、携帯電話の中央の数字キーを上から下になぞったものです。最近では暗証番号入力時には番号をランダムに入れ替えて表示するATMも見かけますが、さすがに登録時には正規の順ですので、このような暗証番号をキャッシュカードなどにも使用している方はいらっしゃるのではないでしょうか?
次に気になるなのは6番の5683ですが、これは携帯電話をよく見るとLOVEとなっているようで、おそらく日本ではこのパターンは少ないでしょう。
そして、10番目の1998ですが、1990から2000の数字はすべてトップ50位に含まれており、1980から1989の数字はすべてトップ100位に含まれているそうです。すなわち、多くのユーザーが誕生年や記念の年を暗証番号に設定していると言う事ですね。
下は、暗証番号に使用されている数字をさらに年代別にし、平均的な数値と比較してグラフ化しています。
これを見ると、1930年代から2020年代の数字が、平均に対して最低でも50%、最大2570%も多く使用されていることがわかります。年齢に変換すると11歳から21歳ですが、おそらく年齢だけではなく記念日等も含まれているものと思われます。
次は、各桁数目毎に仕様頻度の高い数字をグラフ化したものです。
このデータを見た上で、避けるべき組み合わせをまとめると以下のようになります。
- まずは上位に含まれる「1234」、「0000」、「2580」、「1111」、「5555」、「5683」、「0852」、「2222」、「1212」、「1998」。
- 「1234」のような連続した数字。
- 「0000」のようなゾロ目。
- 「2580」のようなキーを一列になぞった数字。
- 「1998」のような誕生日や記念の年などの4桁の西暦。
携帯電話などを盗まれた場合は、iPhoneやAndroidスマートフォンの様な入力回数制限を設定できない限りは、盗んだ相手の時間が許す限り入力を試されてしまうため効果が薄いかもしれませんが、できるだけの防衛はしておいた方が良いでしょう。
ATMでも暗証番号を入力できる回数が限られますが、悪意を持った人間は確率の高い数字の組み合わせに賭けることは確かですので、同様に防衛する必要があるでしょう。
何よりも驚くべきことは、4桁の数字には1万通りもあるにもかかわらず、上位の10通りだけですべての利用の15%をも占めるという事実です。
皆様も思い当たる節がある場合は、これを機会に暗証番号を見直しましょう!