ソフトバンク『海外パケットし放題』の心臓に悪い『嘘パケ死宣告』にご注意を!
海外出張でモバイル端末からのデータ通信を行うには、①WiFiスポットを探すか、②現地のSIMを買うか、もしくは③本国キャリアのローミングサービスを使うかの3つしか手段がありません。
最近では、海外で使えるモバイルWiFiルーターのレンタルサービスなどもありますが、個人的にはわざわざ荷物を増やしたくありません。ですので自分の海外でのオプションは基本的にこの3つになります。
今日は、いずれにせよ私の業務形態では一部は使わざるを得ない③日本キャリアの海外ローミングサービス、しかもその中では世界で初めて海外パケット料金上限固定サービスを始めたソフトバンクとの間で起こった事件についてお話しします。
冒頭で紹介した3つのオプションには、それぞれ利点と欠点があります。
①WiFiスポットの場合、通信が高速ではあるものの、無料のスポットが限られているほか、移動しながらの用途には向かない。
②現地SIM購入の場合、価格は安いし入手すればその後は利用が楽なのにもかかわらず、現地の言葉がわからなければ購入が困難なほか、料金プランがわかりにくい。そしてそれ以前にSIMフリー端末の所有が前提。
③海外ローミングは電話番号もそのままだし通信も普段通りで便利。しかし、とにかく料金がしゃれにならないぐらい高い。
通常、私の場合は、滞在が3日以上であれば②を採用しています。最近ではAndoridのGoogle MapアプリでMy Mapが読み込めたりと、何かと地理感覚がない場所ではiPhoneよりも便利な点も多いので、もっぱらSIMフリーのiPhoneではなく、SIMフリーのNexus Oneを使用します。
たとえば、ヨーロッパの場合、フランスではOrangeのプリペイドSIMが15ユーロ+10ユーロで(1ヶ月分のデータ通信500MBまで)、イタリアではiWindのプリペイドSIMが15ユーロ+3ユーロで(1週間分のデータ通信1GBまで)が購入できます。購入に必要なのは、パスポートやアメリカの運転免許証などの写真入りIDとホテルの住所、それだけです。
先述の通り、SIMフリーの携帯電話を持っている場合は、これが一番安く済み、何かと便利であり、さらに人によっては必要ないかもしれませんが現地の電話番号が手に入ります。
しかし、たいていの場合、そのアクティベーション処理が手動なのかバッチ処理なのかわかりませんが、データ通信が使えるまで24時間から48時間かかると言われます。それまではデータ通信が使えないのです。ところが、ほとんどの場合その日の夜中にアクティベーションがされるので、実質的には翌日から使えることが多いですね。
ここで問題になるのは、そのアクティベーションまでの通信をどうするのか、ということです。
実際、去年までは、そのアクティベーションまでの間に「ほんのちょっと」の気持ちで使っていた海外でのローミングのデータ通信費用が、なんと1●万円かかったこともありました。海外でのローミングによるデータ通信のパケット料金は、皆様が考えている何倍、いや何十倍以上も高いのです。
「ほんのちょっと」の気分で使っていても、数万円支払ったなんてことは普通にあります。実際、スマートフォン時代になってからは、MAPを利用したり、通常のメール添付を利用したりとデータ通信料が格段に増えているだけではなく、ローミングの設定をONにしたままだと、バックグラウンドで自動的にメールを見に行ったり、通知を受け取ったり、twitterアプリが新着つぶやきを見に行ったりと結構なデータ通信が知らないうちに行われているのです。
そんな馬鹿高い海外ローミングデータ通信料金に嘆いた人がおそらく何千何万といる中、今年とうとう孫さん率いるソフトバンクが革新的なことをやってくれました。
そうです、それが、(今のところは)一日あたりの海外パケット料金上限が1,680円という画期的な「海外パケットし放題」サービスです。
ちなみに、こんなぶっ飛んだサービスを提供しているのは他の国にはありません。たとえば、フランスOrangeの海外ローミングだと、お隣のヨーロッパ諸国に行った際でも1日5ユーロで10MBまで、などととても安くは思えないような割引料金パッケージを提供しており、それを見てもこのソフトバンクの上限は低すぎると言わざるを得ません。米国のAT&Tを含むキャリアも同様にそんなサービスは存在しません。AT&Tなどは、本国でのパケット通信料も上限なしの固定プランを撤廃したぐらいですから・・・。
日本ではこのソフトバンクの(愛情を込めた表現として)暴挙に次いで、NTT DoCoMoも同様のサービスを始めましたが、孫さんのブレークスルーに敬意を表して、海外のSIMアクティベーションまでの待ち時間は日本のソフトバンクSIMのローミングでデータ通信を行うことにしたのです。というよりかは、米国のキャリア契約でも、こんな料金設定がないので、ソフトバンクを使わざるを得ないのですが。
先ほど、3日以上の滞在を境目としてSIMを買うか買わないかを決める、といったのは、このソフトバンクの料金が目安にもなっています。プリペイドSIMのアクティベーションに最大48時間かかってしまうので、3日滞在だと結果現地SIMを使う料金がソフトバンクのパケット通信料を上回ってしまうということです。ですので、現地SIMを使う日数が2日以上になれば、必然的に現地SIMのほうが結果的に安くなります。
さて、本題に話を戻しますと、今回の事件は現地SIMアクティベーション待ち時間に、このソフトバンクSIMによる海外ローミングを使った事によって起こりました。
このソフトバンクの「海外パケットし放題」の一番の注意点は、パケット料金が固定になる対象となる現地の通信キャリアが限定されているということにつきます。
当然のことながら、ソフトバンク社のウェブサイトから、出張先での対象となるキャリアを把握しておきました。ところが、現地で最初に電源を入れると自動的にいずれかのキャリアにつながってしまいます。
ここでうれしいことがありました。このようなSMSが届いたのです。
さすがに、説明を読まないユーザーの、高額パケット料金によるいわゆる「パケ死」が多いのか、パケットし放題対象外のキャリアにつながった際には自動的にそのことをSMSで教えてくれるのです!なんと親切なことか。
そこで対象となるキャリアに接続し直してみると、またまたSMSが飛んできました。それがこれです。
なんと親切な!これで、キャリアの接続も固定にしたし、どのような事があっても間違ってパケ死するようなことはありませんし、去年のような1●万円ものパケット代を支払うことももう二度とありません。ソフトバンクありがとう。
パケット料金に上限があることにかまけてか、携帯ショップに立ち寄ることが面倒なのか、結局4日目ほどにやっと現地のSIMを購入し、そしてその翌日にはSIMのデータ通信アクティベーションが完了し、無事に現地のSIMでの通信ができるようになったのでした。ソフトバンクさん、お世話になりました!
と、話はここでは終わりませんでした。
その数日後、次にはこんなSMSが飛んできたのです。
え?ちょっと待てよ?キャリアは対象内のものに接続しているし、iPhoneはどう転んでも「S!ベーシックパック」加入が必須だし、まさか、パケット代が固定になっていないのでは・・・・?
料金は固定になるものと思い、もうそれは最初の数日間はガンガンにMAPを使ったり、メールを使ったり、果てには業務上PDFの添付ファイルまでを何度もやりとりしていたのです。
そこで、おそるおそる普段は開きもしないMy Softbankにログインしてみたのです。左のメニューから「確定前料金」というのをクリックしてみると?
14万円越え!?F@@k!
冗談抜きで最初の言葉がそれでした。
私は、去年二度と同じ過ちを犯さないと誓ったパケ死を繰り返してしまったのでしょうか?日数はどう考えても日本時刻の0時をまたいだ5日分ですから、どれだけ行ってもパケット代は1万円行かないはず!
先ほどのSMSの内容とこのオンライン明細を見れば、もうこれは何か想定外の大失態を犯したとしか考えられません。しかも、インターネットで調べたらほかの方の明細にはiPhoneの契約時には必須のS!ベーシックパックが載っているにもかかわらず、私のものには載っていません。
いったいどう言うことなんだ?
さすがに一度犯した間違いを犯さぬようかなり慎重に設定をして使ったはずなので、なにか私の方でミスがあったはずはありません。
そこで、ウェブに載っていたソフトバンク電話からは電話料金が無料という24時間対応のサポート電話に電話してみました。
「もしもし~あの~聞こえますか~?」
どう考えても音声のディレイが3秒以上もあるような感じです。どうやら、どこかの国にIP電話でつながっているかのようなディレイ。もう会話になりません。向こうも私の相づちを待って会話にならないので、「音声にディレイがあるのでこちらがすべて話しきってからその旨を伝えるので、その後こちらの相づちを待たずにすべて話しきってください。」と伝え、どうにか話を終えた内容からすると、結果的に「料金については日本のサポート番号にかけてください。」とのこと。いったい何のための番号やねん!!!!
ということで、日本の朝9時を待って、サポート電話にかけました。
その結果・・・・・。
「申し訳ございませんが、そのオンライン明細の金額は間違っております。料金は確定後に表示されますのでその際にご確認ください。ご迷惑をおかけしました。ちなみにご利用のパケット代は9,126円です。」
なんじゃそれ・・・・。
孫さん、画期的なサービスは一消費者としても大歓迎で、大いに活用させていただきたいのですが、その周りのシステムや体制もちゃんと整えていただきたい・・・。これだけこういった機器に慣れ親しんでいる私でも心臓に悪い事件が起こるぐらいですから。一文でよいのです。一文で、それさえがこのページに書いてあれば、御社のサポートコストを増やすことも、私の時間を無駄にすることもなかったでしょうに。
あ、まてよ?ということは、先ほどのパケット代30,000円超えのSMSも間違っていますよね?実際には3万円なんて行っていないのですから。ということは、これはユーザーの心臓に悪い悪質なバグと言って良いのでしょうか?このメッセージがあることによって、私は「嘘パケ死宣言」をされ、あの注意書きのない14万円もの確定前料金明細を見ることになったのですから。
これは、本来の上限なし海外パケット料金の時代では非常に重宝されるメッセージですが、「海外パケットし放題」が始まってもう半年もたっているのですから、どうにかちゃんと対応していただきたい。
海外でソフトバンクの「海外パケットし放題」の利用を予定していらっしゃる方は、「嘘パケ死宣言」に惑わされないよう、事前にこの私の体験談を読んで、ちゃんと心の準備をしておいてくださいね。
朝山様
先ず、大変勉強になりましたm(_ _)mこれから一週間ほど海外へ行くに辺り、レンタルモバイルルータにするか、海外パケット放題にするかを大いに悩んでいる所に朝山様の記事が目に入りました。荷物が増えたり電池の消耗(マイナス15度位の国に行くのでバッテリの減りが早いみたいです)など考える事が増える位ならと思い、海外パケットし放題にしようと決め、実際に利用された方の記事を探していました。この記事を書かれてから1年ちょい経っているので、もうSoftbankさんは”嘘パケ死宣言バグ”を直していると思いますが。。。やはり不安ですね(汗
どうしても怖さが抜けないので、出国前にSoftbankさんに行って確認をしたいと思います。
どうか、嘘の宣言で寿命を減らさずに長生きして下さいね☆
貴重な情報をありがとうございました。
その後も何回も日本以外の国で使っていますが、もう修正されていますね。