Android Market for WEBで実現するPC to Androidのシームレスなアプリ・プロモーションの実例

サンノゼと成田間で直行便(AA128便、129便)が飛んでいた時代にはかなり(何十万マイル分も)お世話になったAmerican Airlineですが、そのAmerican Airlineから今日こんなメールが送られてきました。

iPhone 、iPadに加え、AndroidでAmerican Airlineの専用アプリがリリースされたというお知らせです。

ここまでは、従来のアプリの宣伝手法となんら変わりありません。リンクをクリックしてみましょう。

すると、Android Marketへの直リンク(もちろんクリック計測のためのHop Link経由ですが)でした。

これも、またiTunesへのリンクで見られた従来のアプリ・プロモーションの手法と何ら変わりありません。しかし、Android Marketの強みはここからです。

無料ですので「Install」をクリックしてみますと、このようなModalウインドウが開きます。

自分がActivateしたAndroid携帯電話端末の一覧が表示され、それを選択した上で「Install」をクリックすると、その端末をPCに接続して同期したりすることなしに、自動的にAndroid端末にアプリケーションがインストールされるのです。

従来、といっても例として日本ではほとんどiTunesしかありませんが、手順はこの通りでした。

  1. リンクをクリックするとiTunesウェブサイトへ行く。
  2. 自動的にアプリ版iTunesが立ち上がる。
  3. インストールをクリックする。
  4. iTunesにアプリがダウンロードされる。
  5. iOS端末とPCを同期してはじめてアプリがインストールされる。

ところが、Android Marketでは、端末への自動インストールが行われるため、

  1. リンクをクリックするとAndroid Market for Webへ行く。
  2. インストールをクリックする。
  3. Android端末に自動的にインストールされる。

で済んでしまうと言う事です。

iTunes側の手順を見ていると、大きく2つの障壁があることがわかります。

まず2ですが、これは、自分のiOS端末が認証されているiTunesがインストールされているPCであると言う事が前提です。ネットカフェや、職場、学校などで、自分のiPodやiPhoneを認証していないPCからであればインストールは難しいので、再度携帯端末自身からそのアプリを探してインストールすることになります。

次に5ですが、その認証されているPCにiOS端末自体を接続して同期をとってアプリをインストールする必要があります。もちろん2をクリアしていれば5も簡単ですが、アプリやデータの多いiOS端末の同期はなにぶん時間がかかるので敬遠しがちです。(自分だけでしょうか?)

それが、Androidでは自分のGoogleアカウントでログインさえしていれば、どのブラウザーからでもAndroid端末にアプリをインストールできてしまうのです。

一見、この2つの手順にはそんなに違いがないと思われるかもしれませんが、Eコマースをしている人間にとって、購入へのステップが2つも増えたり、端末の接続が必要だったりすることは、コンバージョン(購入率)を大きく下げる悪要因以外の何物でもないのです。

この場合、もちろん端末自身でアプリを購入することは別の話ですが、PCからのアプリ購入の導線もアプリデベロッパーとしては大きな収入源ですから無視はできません。

AppleもWiFi経由でiOS端末とPCを同期できる仕組みを模索しているという噂はもう1年以上前からささやかれていますが、Googleはその一歩先を行った手法を取り入れた形となりました。

スマートフォンが全携帯電話端末を占める割合が年々増しており、ましてはアメリカでも世界でもOS単位ではiOSを抜いたAndroidのアプリプロモーションでは、この新しいAndroid Market for Webは強力な武器となります。

現在Android MarketではApple App Storeのようにアフィリエイトが提供されておりませんが、もしそれが始まることがあればPCトラフィックからのAndroid Marketでのコンバージョンがどれほどのものになるのかということに非常に興味があります。

ちなみに、私自身はiOSとAndroidのどちらをもひいきしておりません。普段から両方を使っておりますので。個人的には、ゲームや音楽といったエンターテイメントなどのアプリはまだまだiOSが優位ですが、My Mapが読み込めるGoogle Mapや、Fromアドレスが選択できるGmailアプリと言ったGoogle関連アプリは断然Androidの方が先を行っていますし、着信拒否などiOSの基準では脱獄なしには動作し得ないアプリが手に入るのでどちらも一長一短かと考えております。

ただ、このAndroid Market for Webの新しい手法の、Eコマースの観点から見たすばらしさが見逃せない性なのでした。ユーザーの利便性から考えても、はやくiOSもリモートインストールができるようになって欲しいものですね。

いずれにせよ、おそらくもうAmerican Airlineを使うことはないので、実際にAAアプリはインストールしなかったというオチでした・・・。

コメントを残す

Top