Chromeバージョン32からはiPhoneやiPadでも使用をお勧めする理由
本日正式にChromeブラウザのバージョン32がリリースされました。
最近のAndroidでは既にChromeブラウザが標準となっているのですが、iPhoneでは使っているユーザーは少ないようです。
iPhoneでChromeを使わない理由は、ずばりSafariが標準で使う機会がない、という方が多いと思うのですが、実際は使い分けるとかなり便利です。
私のようなWindows+Gmailユーザーの場合、Chromeの方が履歴や通知、ブックマークを含め全てのデータを自動で同期できるので便利です。最近ではiOSもiCloudである程度同期できるようになったので便利にはなりましたが。
ところが実は、iOSではSafariとそれ以外のアプリ内ではJava Scriptを実行するエンジンが変わっており、そのパフォーマンスが大きく違います。詳しいベンチマークを取ってはおりませんが、iPhone 5上の単純なJava Script演算で比較しますと、実際にSafariの方がChromeに比べると約2倍速くなります。Chromeはブラウザアプリなのですが、それでも他のアプリと扱いは同じで、演算処理が半分も劣ってしまうのです。
個人的な利用形態としましては、以上の理由からiPhoneでもSafariとChromeを別インスタンスとして使い分けるようになっておりました。実際には既にJava Script演算はバカっ速いので、処理速度が半分と言えどもChromeでも充分に速いのです。ですからウェブのブラウザ体験としては、2つの間でそう体感できるストレス度合いは変わりませんでした。
ところが、今日のChrome 32リリースでその状況が大きく変化しました。
iOS版Chromeでも遂にページの翻訳機能が追加されたほか、マルウェア対策機能も提供されました。しかし、それ以上に大きな改善点である、Googleサーバーでの圧縮による帯域削減機能が追加されたからです。このデータ圧縮機能はiOS版Chrome 31でも一部のユーザーに解放されていましたが、本日発表の32では標準機能として公開されました。
先述の通り既に演算などでは2ブラウザ間の体感的なストレスが変わらないのですが、実際にモバイル端末からのブラウザ利用で最もストレスが溜まるのは、そのページ表示の速度です。そしてその原因はブラウザではなく回線です。日夜提供されている回線速度が増強され続けているとは言え、いまだにそこで頻繁にストレスを感じるのは皆様も同じでしょう。
ところが、この新機能をONにしますと、Google側で圧縮してデータ転送量を平均して約50%も削減してくれますので、体感的なストレスが大幅に減るのです。
まず、その設定方法を見てみましょう。
iOS版Google Chromeの設定画面から、『帯域幅』をタップします。
次に、「データ使用量を節約」をタップ。
そして、次のページで『データ使用料を節約』の右のスイッチをタップしてONにします。
以上です。これだけで、ブラウザで表示するデータを自動的に圧縮してくれます。しばらく使っていると、この画面にどれくらいデータ転送量が削減できているかが表示されます。
私の場合、使い始めたばかりですが45%は削減されていました。ちなみにAndroid版では57%削減になっていました。
この数字は結構優秀で、もし月のデータ転送量が限られたプランで契約していたり、128kb制限されているSIMで通信を行っていた場合には、体感速度が改善されストレスもかなり軽減されますし、転送量オーバーの速度制限も免れることが出来るかも知れません。
実は、過去にもOperaブラウザが同様の機能を提供しておりましたが、こちらの方が性能が優秀だという声が欧米のメディアからも聞こえています。
もし、iPhoneやiPadをお使いの場合は是非一度この新機能をお試し下さい。当然のことながら、先述の通りAndroid版のChromeでも同機能が実装されましたので、そちらでもONにして試されることをお勧めします。
最後にGoogle様へ。
Google様ともあろうお方が、アプリのフレーズを翻訳する際には、是非その慎重なチェックをお願いしたいところです笑
一瞬間違った機能をONにしてしまったかと錯覚いたしました。本来45%削減とすべきところが、『45%保存完了』と、『Saved』という単語がそのまま直訳されてしまっておりますw
その証拠にAndroid版を確認してみますと、
ちゃんと『57%データ圧縮』となっております。
Apple勢のiOSアプリだからとはいえ、手を抜かないであげて下さいませ。よろしくお願いいたします。というのは冗談で、Google Glass用にでさえiOSを用意して下さる心の広いGoogle様でした。以上です。では!
AndroiではFirefoxか標準のブラウザかでしたが、これを読んでちょっとChromeを使ってみる気になりました。
AndroidではFirefoxか標準のブラウザかでしたが、これ を読んでちょっとChrome を使ってみる気になりまし た。