Google+、Facebook、twitterを情報ソースとリアクションのユーザーベースで比較する

情報ソースとなるユーザーベースの比較

3つのSNSでは、その情報スタイルの違いから、必然的にそれぞれのサービスで得られる情報の分母も違ってきます。

なお、この比較では基本機能と基本的なユーザー間の人間関係における情報ソースを比較しており、付加機能であるFacebookのページなどは考慮しておりませんし、twitterのリスト機能を利用しているユーザーは疑似フォロワーであるとした上でご覧下さい。

また、外部のサーチエンジンやキュレーションサービスを使ってアクティブに情報を検索して入手する行為に関しましては、別途「コンテンツのシンジケーション」として詳細に触れたいと思いますので、この章ではそれについても除外しております。

この図ではFacebookのユーザーベースを小さく描いていますが、あくまでもこれは分母となりうるユーザーベースの比較であり、当然ながら実数では大小が逆転することもあります。

Facebookでは「相思相愛」の人間関係が前提ですから、基本的には情報ソースは互いに認め合った友達となります。それに加えて、その友達のいいね!やコメントなどのアクションに釣られて、その「友達の友達」の投稿を見に行いくこともあります。

twitterでは「一方的な立ち聞き」の人間関係が前提ですから、相手に友達と認められてないとしても、自分が興味のあるユーザー全部が情報ソースとなります。また、twitterではフォローしている相手が、更にその先にフォローしている相手のツイートをRTしてくることも頻繁にあり、それに釣られて「フォローのフォロー」のツイートを目にすることも頻繁にあります。

更にtwitterでは、その「フォローのフォロー」がRTによって連鎖して、かなり先のフォロー関係から来たツイートを目にすることがあります。Facebookではその連鎖が比較的途切れてしまうことが多いでしょう。

ところが、Google+では、「サークル外から(Incoming)」の存在により、「自分が興味のある人」とその「共有」から目にする「友達の友達」の投稿だけではなく、「あなたに興味がある人」とさらにその「友達の友達」も情報ソースとなり得ます。

(「サークル外から」ストリームはその役目を果たして2012年1月12日に提供が終了されました。詳しくはこちらへ。)

そしてGoogle+でも、twitterと同様に「友達の友達」が「共有」が連鎖して、かなり先のサークル関係から来た投稿を目にすることもあります。

このことから、基本機能の利用にて情報ソースとなるユーザーベースの幅広さという意味では、Google+が最大となり、twitter、Facebookの順で狭くなります。

少しここで余談をさせていただきます。

この図ではその「あなたがサークルに入れているユーザーがサークルに入れているユーザー」と、「あなたをサークルに入れているユーザーをサークルに入れているユーザー」を都合上両方共に「友達の友達」と表記しておきましたが、厳密に言えば少し違います。

実は、Google+で「友達の友達」というフレーズが使われているのは、投稿の公開設定をする場合であり、その場合の「友達の友達」は正式には前者のみとなり、後者には正式な名称はないようですのでご注意ください。

話を戻させていただきますと、Facebookでは相思相愛の友人関係を解除するには一定の心理的障壁がありますし、twitterで相手のフォローを外すことは得に日本では違和感をもたれるユーザーが少なくないようですので、その点でも相手からどのサークルに入れているかが見えないGoogle+が、情報ソースの幅広さだけではなくそのコントロール性という点でも一番優秀だと言えます。

情報ソースの幅が広く、新鮮な情報に触れやすいにもかかわらず、自分でそのチャンネルを自在に切り替えて絞り込んでいくことができる、それがGoogle+で情報を受け取る側の快適さを生み出していると思われます。

リアクションをしてくるユーザーベースの比較

次に、あなたの発言に対して、返信やコメントといったようなリアクションをしてくるユーザーベースを比較してみましょう。

なおこの比較でも、基本機能にて該当する投稿を発見した上で反応してくるリアクションについて比較しており、外部のサーチエンジンやキュレーションサービスを使ってアクティブに情報を検索してきたユーザーによるリアクションを除外しておりますのでご注意下さい。

それらに関しましても、また別途「コンテンツのシンジケーション」として詳細に触れたいと思います。

この図でもFacebookのユーザーベースを小さく描いていますが、あくまでもこれは分母となりうるユーザーベースの比較であり、当然ながら実数では大小が逆転することもあります。

Facebookの場合、基本的にあなたの投稿に反応してくるのはあなたの友達のみです。それに加え、あなたの友達があなたに対してコメントしたり、あなたのウォールに書き込んだり、いいね!を押したりした際に、その「友達の友達」があなたの「友達」のウォールをのぞいた場合、あなたの書き込みを見てコメントしてくる可能性も少なくありません。

twitterの場合、基本的にあなたにアクションしてくるのはフォロワーであるといって良いでしょう。しかし、twitterでは、あなたのフォロワーのフォロワーがあなたに対してリアクションを起こしてくるだけではなく、連鎖したフォロー関係の先からリアクションを起こしてくることも頻繁にあります。

しかし、Google+の場合は、投稿時に「サークル」機能によって公開範囲を設定できますが、「一般公開」とした場合には基本的にあなたにリアクションしてくるのは被サークルユーザーです。

Google+でも、あなたをサークルに入れているユーザーをサークルに入れているユーザーがリアクションを起こしてくることもありますが、twitterほどには頻繁にありません。

正確に言うと、そのあなたの被サークルユーザーの被サークルユーザーがアクションを起こしていることは頻繁にあるのですが、あなたの目に入る可能性がtwitterより低いのです。

これは、あなたの発言が共有された場合、その共有された先で別のスレッドとして分岐(フォーク)して会話が成り立ってしまうというGoogle+の「共有」機能の仕様がその原因です。それに関しましても別の章にて詳細に触れたいと思います。

ここではその結果だけを説明しますと、あなたが見える形でコメントとして届くリアクションは、基本的にあなたをサークルに入れている被サークルユーザーがベースとなるということです。

すなわち、あなたの発言に対する2時的な意見はもちろんのこと、「直接物言うことに対する心理的障壁」から、本来あなたが見ると不快になるようなリアクションは、実際にはあなたが見つけにくいところで「陰口」として発生している確率の方が高いのです。

あなたにリアクションを起こしてくるユーザーベースは、twitterの方がGoogle+よりも大きいのですが、Google+では直接見える心理的に不快なリアクションが少ない分、その事実が良いか悪いかという判断は別として、twitterよりも快適だと感じてしまう要因になっているのではと考えています。

都合が良いGoogle+

Google+では、情報ソースとなるユーザーベースが幅広いにもかかわらず、受信者次第では情報量を好き勝手に絞りこめ、さらには自分が発信した情報に対してリアクションをしてくるユーザーベースに関しては、否定的なノイズが他の2つよりも少ないという、何とも「都合が良い」形ができあがっています。

前章で導き出したGoogle+のコンセプトは「あたかも現実世界で共有しているかのように感じながら、その都度話す側(自分)と聞く側(相手)の権利がマッチしている場合にのみ、その相手のストリームに向けて周りの出来事を気軽に共有できるサービス」でした。

この「都合の良い」という部分が、まさにGoogle+が身勝手な人間の現実世界に似せて作られた部分の一つなのかも知れません。

 

さて、Google+における「読む」ことと「反応(リアクション)を受ける」ことの快適さについて検証してみたところで、大切な部分を一つ飛ばしてしまっています。

そうです、次は「発言(投稿)する」ことについて詳しく比較してみましょう。

「第6章: Google+、Facebook、twitterを情報の発信スタイルで比較する」に続く

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